柑橘のようなさわやかな香りがする一方、そして薬っぽいような、何か燻したような香りがするレッドタイム。
この精油は強い成分があるので、使用する際には注意が必要です。
では、その辺も踏まえて、レッドタイムについてみていきましょう。
概要
特徴・製造方法
レッドタイムは、シソ科の多年生の亜低木で、石の多い地面や日当たりの良い場所を好みます。7 ~ 20 cm の高さに成長し、緑がかった灰色の小さな葉と紫または白の花を持つ多年生の芳香性ハーブです。
虫や他の植物などが多い地域でも育つ強い植物です。
上の方の花と葉を乾燥または半乾燥させて、水蒸気蒸留法の方法で精油を抽出します。
効能(心)
- 副交感神経強壮作用
- 鎮静作用
【こんなときに】
記憶力向上、集中力向上、ストレス、心配、不安、うつ病、やる気UPしたいとき
効能(身体)
- 麻酔作用
- 殺菌作用、
- 殺真菌作用
- 駆虫作用
- 抗リウマチ作用
- 筋肉痛緩和作用
- 鬱滞除去作用
- 静脈強壮作用
- 抗感染作用
- 抗ウィルス作用
- 利尿作用
- 免疫向上作用
【こんなときに】
セルライト、高血圧、低血圧、カンジダ、過敏性腸、鼓腸、消化不良、膀胱炎、腎臓強壮、腎感染症、ウィルス性の病気、免疫を向上させたいとき、肩こり、関節炎、リウマチ、痙攣、頭痛、坐骨神経痛、喘息、風邪、咳、花粉症、のどの痛み
効能(皮膚)
- 殺菌作用
- 抗真菌作用
【こんなときに】
腫瘍、吹出物、皮膚炎、乾燥肌、湿疹、菌によって腫れている場所
※ただし、使用する場合は濃度に気を付ける
ストーリー
タイムのストーリーはスイートタイムと共通しているので、ここでは、古代の使用について触れます。
タイムという名前は、ギリシャ語のthumos、またはラテン語のfumusに由来し、どちらも「煙・燻し」を意味しています。
タイムの歴史も古く、古代エジプト、ギリシャ、ローマでも使用されていました。
古代エジプト人は防腐処理にタイムを使用しました。バクテリアや真菌を殺し、また死者の腐敗臭を抑え、香りがつくことから、ミイラ処理をする際、シナモン、ラベンダー、タイムなどの香辛料が詰められていました。
古代ギリシア人は、それが『勇気の源』であると信じて、風呂でそれを使用し、寺院で香として燃やしました。
この「勇気」の象徴としてのタイムの使用は長く続き、戦士への贈り物や、敬意のしるしとしてタイムを交換したそうです。
ローマ時代には、強い殺菌作用も知られていたので、浄化するとして、宗教指導者は寺院でタイムを燃やしました。
その一方で、香りも人気で、「チーズやリキュールに芳香を与える」ためにローマでは使用されていました。
そして、解毒するとして、食事の前後にタイムを食べたり、毒を誤って服してしまった人はタイムを浸したお風呂に入ったりして利用していたそうです。
中世以降についてはスウィートタイムの記事でお伝えしますね。
まとめ
今日、強い作用を用いるためにアロマセラピー業界ではレッドタイムを使用されています。
しかし、上記にも述べたように、刺激の強いフェノールの割合がかなり高く、炎症などがおきやすいので、使用する際は経験と注意が必要となります。
しかし、それだけ強い作用が期待できるレッドタイム。上手く使用していきたいです。
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