温かくもあり、すっとする清涼感もある香りラベンダー。
アロマセラピーを詳しく知らない人にもこのラベンダーの香りは知っている人も多いはず。
有名な香りではありますが、その背景や効能について詳しく見ていきましょう。
概要
特徴・製造方法
人気が高い精油だけあって、実は品質も様々。
実は標高の高い地域で育つラベンダーは、太陽の光をたくさん浴び、香りも成分もハイクオリティ。
そして、このラベンダーは収穫の時期、収穫の場所によっても全く違う香りになります。
鎮痙、鎮静作用があるエステルという成分があります。
花が満開の時に蒸留するとこのエステルという成分が多く含み、また寒い時期はエステルは発生しにくいです。
また、このラベンダーはワインのように繊細で、蒸留方法によっても香りが変わってしまうので、蒸留の温度調節や蒸留時期などに気を付けて行う必要があります。このエステル成分を長持ちさせる絶妙な温度が必要だからです。
効能(心)
- 神経バランス回復作用
- 血圧降下作用
- 鎮静作用
- 交感神経の興奮を鎮める
- 血流増加作用
- 抗鬱作用
【こんな時に】
不眠、疲労、不安、怒り、
効能(身体)
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用
- 抗菌作用
- 抗真菌作用
- 抗ウィルス作用
- 血圧降下作用
- 血流増加作用
- 弱い麻酔作用
【こんな時に】
高血圧、傷、やけど、捻挫、リウマチ、筋肉痛、神経痛、頭痛、歯痛、風邪、めまい、てんかん、生理痛
効能(皮膚)
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
- 鎮痛作用
- 抗真菌作用
- 鎮静作用
- 育毛作用
【こんな時に】
やけどの痕、日焼け、傷、ニキビ、アンチエイジング(皮膚再生)、体臭予防、虫刺され、かゆみ、アタマジラミ予防
ストーリー
ラベンダーという言葉はもともとは古いフランス語の「lavandre」、そしてその元はラテン語の「lavare(洗う)」から来ていると言われています。
エジプトのピラミッドの中にツタンカーメンのミイラとともにラベンダーの香りに似たものが入った壺が出てきたそうです。
また、古代ローマではすでにこのラベンダーの香りが防腐作用、防虫作用、殺菌作用があることを知っており、洗濯や風呂に入れるなど様々な用途で使用されていたとも言われています。
中世イギリスのエリザベス1世もこのラベンダーが大好きで、片頭痛を抑えるために、このラベンダーをお茶として飲み、ラベンダーの栽培を推奨したそうです。そして、ヴィクトリア朝のイギリスでは王族の中で流行し、家の香りづけから、洋服、石鹸、そして女性の中では男性を引き付ける香水などあらゆるものに使われました。
最も有名な話はアロマの父と言われている「ルネ=モーリス・ガットフォセ(René-MauriceGattefossé)」の話です。
アロマセラピーという言葉を作ったガットフォセは実験でやけどを負って、近くにあったラベンダー精油の容器に手を入れたら傷が跡を残さず綺麗に治りました。
第一次世界大戦では消毒薬が不足した際に、このラベンダー精油を治癒と防腐作用のため使用されたそうです。
そして、このラベンダーはとても交雑しやすく、たくさんの種類があります。
この一般的に品質が良い『真正ラベンダー(True Lavender)』は世界で栽培されているラベンダーの2%ほどと言われています。
そして、現在ラベンダーは万能なのでとても人気ですが、希薄されたアロマオイルがあるのと同様に、「クローン」のラベンダーも登場しています。これは真正ラベンダーの状態がいいものだけを培養したもので、状態も安定しており、収穫量も多いためとても安価で手に入ります。こちらは「ラベンダー メイレット(Lavender Maillete)」と呼ばれています。
また、真正ラベンダーとは成分が違う「スパイクラベンダー」、また真正ラベンダーとスパイクラベンダーと掛け合わせたハイブリッド種「ラバンジン」などがあります。スパイクラベンダーは気分をリラックスさせるというより、スッキリ、リフレッシュするという成分が入っています。
まとめ
不眠対策の精油として知られているラベンダーですが、他にもいろいろなものに使えます。
たとえば、気分を高揚させる「レモン」。こちらは単独で高齢者に使用すると強すぎるので、このラベンダーとブレンドしてバランスを整えたり、ゼラニウムと一緒に生理用ナプキンに少量たらしたり。
私は、いざという時のために、台所にラベンダーを置いておいて、やけどや傷に備えてお守りとして置こうと思いました。
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