重たい感じで、燻製のような墨汁のようなウッディーな香りがするパチュリ。
とても落ち着く香りです。
ではこのパチュリについて詳しく見ていきましょう。
概要
特徴・製造方法
パチュリは気温が高い温暖から熱帯地方で良く育ち、高温多湿なところでも生育します。しかし、直射日光には弱い植物です。水不足で枯れてしまっても、水を与えるとすぐ回復する強さをもつ植物です。
葉を年に数回か収穫し、よく乾燥させて、細胞壁を壊すために発酵させた後に水蒸気蒸留法の方法で、精油を生成します。この発酵の作業によりパチュリのスパイシーな独特の香りを引き出すことができます。
パチュリの精油もフランキンセンスのように、熟成していく精油で、比較的長持ちする精油です。
効能(心)
- 気分調和
- 抗うつ作用
- 抗不安作用
【こんな時に】
感情のバランスが乱れているとき、ものごとを客観的に見たいとき、不安、コンプレックス、頭の疲労
効能(身体)
- 組織再生作用
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
- 静脈鬱滞除去作用
- 抗真菌作用
- リンパ強壮作用
- 静脈強壮作用
- 催淫作用
- 防虫作用
【こんな時に】
むくみ、くすみ、免疫力向上、セルライト、食欲を抑えたいとき、寄生虫、不感症、インポテンツ
効能(皮膚)
- 組織再生作用
- 鬱滞除去作用
- 抗アレルギー作用
- リンパ強壮作用
- 抗炎症作用
- 抗真菌作用
【こんな時に】
むくみ、くすみ、たるみ、アトピー性皮膚炎、老化肌
ストーリー
パチュリはタミル語の「paccuḷi(緑)」と「ellai(葉)」から来ているという説と、ヒンディー語の「pacholi(香りをつける)」から来ているとされる説と二つ存在しています。
もともとはインドで生育していたこの植物は、嗜好品(噛みたばこ)、虫よけや芳香として使用されており、アラブ人は絨毯の虫よけと香りづけとして使用、中国では墨汁などに入れて使用されていました。
また、ラベンダーと同様に、古代エジプトのツタンカーメンのミイラとともに10ガロンもの精油が出てきたと言われるほど古くから香料、防虫剤として使用されてきました。
貿易が盛んになると絹や織物とともに、防虫目的とされていたこのパチュリの香りがヨーロッパでも流行しました。わざわざこの香りをつけるくらいに。
そしてこのパチュリといえば、1960年代「ヒッピー」との関係。気分を高揚させるハーブの香りを隠すため、このパチュリの香りが使用されました。
また、1989年に発売されたマドンナのアルバム『Like a Prayer』の初版レコードには教会をイメージさせるものとして、パチュリとフランキンセンスの香りがつけられました。
まとめ
存在感があるずっしりとした香りがするパチュリ。
この強い香りが苦手な人もいますが、私は大好きです。濃度に気を付けながらいろいろな精油とブレンドして楽しみたいと思いました。
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