この香りの第一印象は甘い中に渋みがあるという感じでした。
朝のイメージ、そして東南アジアの市場にいるような感じ。
とても強い香りのこのマンダリンは実はとてもやさしい香りなのです。
ではこのマンダリンについて見ていきましょう。
概要
特徴・製造方法
マンダリンの原産地はインドのアッサム地方です。そこから交雑されて変化して、中国経由で日本に渡ったのが、いわゆる「こたつにミカン」のように日本人にとって欠かせないものとなりました。
マンダリンという名前は、中国の清朝で官僚を西洋人が読んでいた名前のことであり、この洋服の色が鮮やかなオレンジと緑だったためこの植物にこの名前がつけられました。
マンダリンは4~5mくらいの木になる果実で、とても香りが強い人気がある果物です。
そのまま食べるのはもちろん、強い香りから、キャンディーやリキュールなど食品の香料として使われています。
マンダリンは実がたくさんなるものですが、数に限りがあります。
様々な用途に使われるので柑橘系の精油の中でマンダリンが高価な理由がこのためです。
マンダリンは収穫時期により三種類の精油が作られます。
未完熟のものは「マンダリングリーン」、適度に熟したものは「マンダリンイエロー」、そして完熟したものは「マンダリンレッド」です。それぞれ成分が異なるため効能も香りにも違いがあります。
特に「マンダリンレッド」に含まれるメチルアンソラニル酢酸メチルという成分は緊張を緩和する作用があり、癒しのパワーがあります。
果皮を圧搾してとれることから、やはり農薬などがつかわれていないオーガニックのものをつかうことを強くおすすめします。
効能(心)
- 緊張緩和作用
- リフレッシュ作用
- 不安や鬱緩和
【こんなときに】
不安感、疲労、ネガティブな感情の時、強いトラウマ、落ち着かないとき、不眠、腹痛、多動症
効能(身体)
- 消化促進作用
- 鬱滞除去作用
- 抗感染作用
- 血流促進作用
- 利尿作用
- 殺菌作用
- 抗ウイルス作用
- 肝臓・腎臓機能強化作用
- 月経前緊張症(PMS)の改善
- 鎮痙作用
- 脂肪分解作用
【こんなときに】
食欲不振、消化不良、拒食症、過食症、便秘、むくみ、胃炎、セルライト
効能(皮膚)
- 静脈強壮作用
- 殺菌作用
- 炎症鎮静作用
- 油脂量調節
【こんなときに】
妊娠線予防、にきび、傷跡
ストーリー
イギリスでも『Satsuma』という種類のマンダリンは甘くて皮が向きやすくとても人気がある柑橘です。
でも『Satsuma』とは日本の鹿児島地方。でも、ミカンといえば愛媛県や静岡県が有名ですよね。
まず、Satsumaは温州みかんのことです。1866~1869年の駐日米大使のR.Van Valkenbergという方が奥様と一緒に九州を旅をしました。その時に食べた温州みかんがとても美味しかったそうです。大使のアナ夫人がとても気に入り、帰国後、九州薩摩地方から苗木を取り寄せ、自宅の庭に植えて果樹園を作ったそうです。
その際、「ウンシュウ」というのは発音しにくいため、『サツマ』という名前になりました。
また、西洋人が大切なイベント「クリスマス」と「温州みかん」はとても深い関係があります。
まずは『クリスマスストッキング』。クリスマスイブの夜靴下を用意して寝るという習慣があります。
これはサンタクロースのモデルになった聖ニコラスが貧しい少女を助けるために靴下に金のボールを入れたという話からです。今では靴下にお菓子やフルーツや小さなプレゼントを入れますが、この金のボールと似ていることから、みかんを入れる人が多いのです。
なぜオレンジではなく、みかんかというと、熱帯で育つオレンジとは違い、冬の前に熟すので、冬(クリスマス)をイメージする果物であること、また面倒くさがりが多い欧米人にとって簡単に手で剥けるこのみかんが好まれたという説もあります。
また、カナダではクリスマスにみかんを食べるという習慣もあります。19世紀に日本から移住した日本人女性が故郷からカナダへ輸入したことがきっかけです。当時のカナダでは冬に食べることができる果物が少なかったことや、とても美味しかったことから現在でもクリスマスホリデーの前には、多くの人がみかんを購入しています。
また、漢方薬の「陳皮」は精油と同じく芳香性健胃、鎮咳薬として、食欲不振、嘔吐、疼痛に使われています。
中国から中東を経て地中海沿岸に伝わったのが「マンダリン」、モロッコ経由でフロリダに伝わったのが「タンジェリン」で同じ種類の柑橘のことを言います。
まとめ
このマンダリンは日本ととても関わりがある精油で、親近感がわきました。
とても甘くて強い香りで、しかも馴染みがある香りです。そして成分も他の柑橘系よりマイルドなので、子どもにも人気がある精油です。
ほかの精油とも相性がいいので、とても幅広く使える精油ですね。
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