甘くてやさしくて、それでいてさわやかな香りがするスウィートタイム。レッドタイムに比べたら薬の香りも薄れ、とても使いやすいのが香りからでもわかります。
では、このスウィートタイムについてみていきましょう。
概要
特徴・製造方法
スウィートタイムは、シソ科の多年生の亜低木で、石の多い地面や日当たりの良い場所を好みます。40cmくらい の高さに成長し、細くて濃い緑色の灰色の楕円形の葉と、白から薄紫色の花を咲かせます。
ホワイトタイムと呼ばれることもあります。
レッドタイムと同様に、上の方の花と葉を乾燥または半乾燥させて、水蒸気蒸留法の方法で精油を抽出します。
効能(心)
- 交感神経の興奮を鎮める作用
- 鎮静作用
- 抗うつ作用
- 神経バランス回復作用
【こんなときに】
記憶力向上、集中力向上、ストレス、心配、不安、うつ病、やる気UPしたいとき
※レッドタイムより穏やかな作用
効能(身体)
- 弱い局所麻酔作用
- 抗菌作用
- 抗真菌作用
- 血流増加作用
- 抗ウィルス作用
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用
- 血圧降下作用
【こんなときに】
セルライト、高血圧、低血圧、カンジダ、過敏性腸、鼓腸、消化不良、膀胱炎、腎臓強壮、腎感染症、ウィルス性の病気、免疫を向上させたいとき、肩こり、関節炎、リウマチ、痙攣、頭痛、坐骨神経痛、喘息、風邪、咳、花粉症、のどの痛み ※レッドタイムより穏やかな作用
効能(皮膚)
- 抗菌作用
- 抗真菌作用
【こんなときに】
腫瘍、吹出物、皮膚炎、乾燥肌、湿疹、菌によって腫れている場所
※レッドタイムより穏やかな作用
ストーリー
タイムのストーリーはレッドタイムと共通しているので、ここでは、中世以降の使用について触れます。
中世ヨーロッパでは、タイムは睡眠導入を手助けし、悪夢を避けるということで知られていました。
そのため、枕の下にタイムを置いたりして使用していたようです。
古代に「勇気と強さの象徴」とされていたタイムは、中世以降もこの風習は残り続け、騎士への贈り物として使用されました。お香として使われていたり、スカーフなど騎士が身に着けるものにもタイムを入れたりしていたそうです。
同様に、引き続き殺菌防腐効果と死の世界への橋渡しの存在としても棺の中にタイムは入れられました。
また、1349年の黒死病がヨーロッパ中に広がった時も、タイムは人を保護するため、そして殺菌作用により救済するために使われました。ハンセン病、シラミが流行した時にも使用され、薬として活躍していました。
消毒剤として、第一次世界大戦時や、当時の手術用の使われていた包帯はタイムオイルに浸し使用していました。
また、このタイムは白血球の数を増やすという実験結果も出ています。
まとめ
スウィートタイムはレッドタイムのように強力な効果はないですが、香りも作用も優しい分、使用しやすいのではないでしょうか。
即効性を求めるときはレッドタイムを、マイルドに効果を求めるときにはスウィートタイムとうまく使い分けて使用していきたいと思います。
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