スパイスの中でも馴染みの深いシナモンの香り。
イギリスではクリスマスの香りです。クリスマスケーキにはたっぷりのシナモン。
ではこのシナモンについてみていきましょう。
概要
特徴・製造方法
シナモンは熱帯地方に生息しており、常緑樹です。大きいもので、10~15メートルくらいになる場合もあります。
シナモン精油には2種類あり、葉からとれるシナモンリーフと樹皮からとれるシナモンバークがあります。
水蒸気蒸留法の方法で乾燥してから蒸留しますが、より正確に成分を抽出するために、再蒸留するコホベーションという方法がとられる場合があります。
シナモンリーフの方がよりマイルドな成分と言われています。
香りはシナモンバークの方が濃厚です。
効能(心)
- 神経バランス回復作用
- 鎮静作用
- 抗うつ作用
- 不安解消
- 緊張緩和
【こんなときに】
うつ病、不安が強いとき、落ち着きたいとき、緊張
効能(身体)
- 血管拡張作用
- 免疫強壮作用
- 鎮痛作用
- 抗ウィルス作用
- 分娩促進作用
- 局所麻酔作用
- 抗菌作用
- 抗真菌作用
- 抗寄生虫作用
【こんなときに】
生理不順、痛み、こり、冷え、ストレス性の痛み、関節痛、更年期障害、肩こり、風邪、インフルエンザ、大腸炎、食欲不振、カンジダ菌、便秘、下痢、腎臓結石、免疫をあげたいとき、捻挫、坐骨神経痛、アルツハイマー予防
効能(皮膚)
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
【こんなときに】
ニキビ炎症、髪の毛の成長
※刺激が強いため、あまり皮膚に使用することはおすすめしません。
ストーリー
シナモンの歴史も古く、古代エジプトのミイラつくりの防腐処理に使われていました。
シナモンは古代諸国ではとても価値あるものとして存在しており、君主や神への贈り物として使われてきました。
主にアラブ地方から貿易としてギリシャに持ち込まれ、独占するために商人たちは生産地を秘密にして販売していました。
それほど高価なシナモンだったので、宗教的な儀式で燃やすという使い方は普通はできなかったのですが、ローマのネロ皇帝は妻の葬儀の際に1年分シナモンを燃やしたという記録が残されています。
このシナモンの生産地については長い間謎のままで、一方で中世の医師は咳、嗄声、喉の痛みなどの風邪や喉の病気の治療にシナモンを使用していました。
そして16世紀にポルトガルがセイロン(スリランカ)に到着し、そこでシナモンを発見してこの地域を占領しました。
そしてその100年後17世紀にはオランダがセイロン島を支配し、今度はオランダが貿易を独占しました。
このとき、シナモンの木は貿易により伐採されて破壊されていたので、この木を他の場所で栽培できないかとオランダ東インド会社にて栽培を始めました。最終的には、他の国もセイロン以外の地でシナモンの木をうまく成長させることができることを発見したため、シナモンに対するオランダの独占は消えました。
今日、シナモンは南アメリカ、西インド諸島、その他の熱帯気候で栽培されています。
1918年に流行ったスペイン風邪のときには、治療薬としてシナモンが使用され、牛乳と一緒に油もしくは粉末の状態で飲まれたそうです。
まとめ
昔から薬として使用されてきたシナモン。今では簡単に手に入りますが、昔は高価な香辛料でした。
イギリスではシナモンは多くのお菓子に使われています。
特にクリスマスシーズンにはシナモンの香りがひろがります。
精油にするととてもパワーがあるので、使用料や使用方法に気をつけながら上手く使っていきたいです。
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